今回の記事では日本料理でよく使われる合わせ調味料をご紹介させていただきます。
合わせ出汁
出汁を調味した出汁です。
身近なものだと、そうめんつゆや天ぷらつゆなどです。
・吸い地:一番出汁1ℓ、酒大さじ1.5、薄口小さじ2、塩少々
お吸い物や擦り流しに使います。
・浸し地:一番出汁10、薄口1、みりん1
下ごしらえした野菜を仮漬けする時、本漬けする時に使います。
・旨だし:一番出汁6、濃口1、みりん1
茹で野菜にかけたり、南京豆腐や胡麻豆腐にかけます。
・薄口八方だし:一番出汁8、薄口1、みりん1
あまり色を付けたくない炊きものや、生姜を入れてマグロを炊いたり様々な料理に応用できます。
・濃口八方だし:一番出汁8、濃口1、みりん1
風味やコクがありしっかりした味なので、やや濃いめの煮物に使います。
・白八方だし:一番出汁8、塩少々、みりん1
薄口八方よりも白く仕上げたい時に使います。見た目に反して塩分が強くなりやすいので注意が必要です。
・酒八方だし:酒+水8、薄口+濃口1、みりん1
出汁の代わりに酒と水を使います。
食材に合わせて酒か水、どちらを多くするか状況に応じて調整します。
・天だし:出汁4、濃口1、みりん1、追い鰹少々
天ぷらをつける出汁です。
お好みで砂糖を入れて煮詰めると丼物のタレにもなります。
・めんつゆ:出汁10、濃口1、みりん1、砂糖少々、追い鰹少々
そうめんに漬けたり、アオリイカを細切りにしたイカそうめんをつけても美味しいです。
・うどん出汁:出汁14、薄口1、みりん1、追い鰹少々
関西風のあっさりしたうどん出汁ができます。
基本的なものだけでも結構ありましたね。
ですが、割合になっているものが多く、さらに薄口八方と濃口八方の使い道を基準に覚えると応用がしやすいですよ。
合わせ酢
お次は合わせ酢です。
合わせる時の火のかけ具合でツンとした酢の香りが少し飛ぶので、酢が苦手な方にはおすすめです。
・寿司酢:米酢450cc、砂糖180cc、塩70cc、昆布8g
全て混ぜてから砂糖が溶けるまで常温で一晩置いてから昆布を取り除きます。
もしくは、砂糖が溶けるまで沸騰させないように火にかけます。
保存方法は常温で2ヶ月は持ちますが、風味が飛ぶので早めに使い切る方がいいです。
また、冷蔵庫に入れると砂糖の結晶が現れる可能性があります。
・甘酢:水1、酢1、砂糖0.4、輪切り唐辛子少々
砂糖が溶けるまで混ぜて、甘酢漬けや野菜のなますなどに使います。
柚子皮を入れて柚子大根なども作れます。
・二杯酢:薄口1、酢1
醤油と酢を同じ割合で合わせたものを言います。酢の物全般に使えます。
ちなみに醤油は濃口でもよく、お好みでお使いください。
・三杯酢:薄口1、酢1、煮切りみりん1
二杯酢に甘味であるみりんを足したものです。海藻の酢の物など。
※煮切りみりんとは、アルコールが飛ぶまで沸騰させたみりんのことです。作る際は深い鍋にみりんを入れてアルコールの香りが無くなるまで加熱するだけです。※鍋を包むほどの火力で加熱すると、アルコールに火がついて鍋から火柱が上がるので、中火くらいで作ってください。
・加減酢:出汁5、酢1、醤油1、みりん1
全て合わせ一煮立ちさせて完成です。
そのまま飲めるほどの加減なのでいろいろな料理に使えます。
・土佐酢:出汁4、酢2、みりん1、醤油1、砂糖少々、カツオ節0.1
全て混ぜ合わせて一晩置いてカツオ節を漉したら完成です。
酢の物全般に使えます。
・黄身酢:(卵黄3個、砂糖大さじ1、みりん15cc、塩少々、薄口5cc、酢20cc、出汁60cc)カツオ節5g
()内を全て合わせて、弱火の湯煎でマヨネーズ状になるまで混ぜ続けたらカツオ節を加え、全体を混ぜ合わせたら裏漉しして完成です。
生の魚介類や野菜に使える和風ソースといった感じです。
・ポン酢:橙酢4、酢橘酢1、柚子酢1、米酢2、濃口4、たまり1、煮切りみりん1、カツオ節・昆布、全体の1割ほど
冷蔵庫で2週間置き、カツオと昆布の旨みを引き出し、漉したら完成。
・簡易ポン酢:橙果汁5、米酢1、濃口4、煮切りみりん1、カツオ節・昆布、全体の1割ほど
冷蔵庫で一晩置いておく。
酢はそれぞれが汎用性が高いため、料理を作る人の好みに左右されると思います。
表記している酢を黒酢にしたり果実酢にしたりしても楽しめますよ。
合わせ味噌
味噌と言えばお味噌汁が一般的ですが、食材に直接つけて食べる味噌もあります。
・玉味噌(白):白味噌500g、卵黄5個、砂糖30g、酒200cc
全て鍋に入れて混ぜ合わせたのち、中火で焦げ付かないように練り続ける。
ぷくぷくと沸いてきたら弱火にして、元の味噌の硬さになるまで焦がさないように練れたら完成。
完成した際、ダマがあったら裏漉しする。裏漉しが面倒な場合は新しい水切りネットに入れて押し出せば、手間はかからないです。
・玉味噌(赤):赤出汁味噌500g、卵黄10個、砂糖200g、酒250cc、みりん100cc
工程は玉味噌(白)と同じです。
材料に違いがあるのは味噌の甘みや硬さが違うためです。
※玉味噌は一般的には田楽味噌と呼ばれています。
・酢味噌:玉味噌(白)50g、酢大さじ1
混ぜ合わせたら出来上がりです。和え物に使います。
練りからしを小さじ1ほど入れると「辛子酢味噌」になります。
・柚子味噌:玉味噌(白)、柚子
玉味噌(白)に柚子果汁とすりおろした皮を入れたら完成です。
風呂吹き大根や蕪にかけると美味しいです。
・山椒味噌:玉味噌(赤)、刻んだ実山椒、煮切り酒少々
実山椒は少量からお好みの量を入れて混ぜてください。
煮切り酒は玉味噌の硬さ調整で使ってください。
・木の芽味噌:玉味噌(白)、木の芽、青寄せ、煮切り酒
木の芽をすり鉢で擦り、玉味噌、煮切り酒を合わせて、青色が足りなければ少しづつ※青寄せを混ぜ込んで色を付けます。
※青寄せとは。
ほぼ無味無臭の天然の青色着色料です。
作り方は、
色が濃いほうれん草の葉を適宜の水と共にミキサーにかけ、どろどろの状態になったら塩を適量加え、水を足して流れるようにしてザルや裏漉し器を通して繊維を取り除く。
繊維を取り除いた青い汁を鍋に入れ火にかけると、アクのように浮いてくる緑色のものがあるので、それをガーゼやリードペーパーに掬い取り、水気を切って残ったものが青寄せです。
玉味噌は様々な合わせ味噌の基本なので覚えておきたいですね。
上記以外にも玉味噌に生姜を混ぜたり、梅干しを混ぜたりしても美味しいですよ。
まとめ
今回は出汁、酢、味噌と様々な合わせ調味料をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
基本的な調味料を知っているだけで、皆様自身がアレンジしていただくことも可能ですので、ぜひ挑戦してみてください。
最後まで閲覧いただきありがとうございました。